裏日本観察学会・突撃巡礼隊

各地の寺院や神社、霊場の参詣記、納経帳(御朱印)の記録を中心に、面白スポットや街角で見たものなども紹介します。 ※写真(サムネイル)はクリックすると拡大します。

2017-09

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白糸の滝(静岡県富士宮市) 平成19年11月11日

 浅間神社門前で名物の焼きそばを食べる。バラックのような小さな店が何軒も軒を並べる空間で、その中央には富士の伏流水が湧き出て、それを自由に飲むことができる。
 さて、せっかく、ここまで来たのだから白糸の滝を見物して帰路につくことにした。途中、何度も富士山を見るが、周囲は雲がないのに、富士山だけが雲に包まれていた。

白糸
何の前知識なく向かったので深山幽谷の地かと思ったが、意外と平地で拍子抜けした。
土産物屋が軒を連ねる道を下りていくと滝が見えてくる。だいたい滝というと山を登って見るというのがほとんどなので、下りて見るというのは初めてだ。
しかし、そんな平坦な地でこれだけの飛瀑が見えるのだから、富士の有する水量の多さに、あらためて驚く。

画像 081

正面滝壺以外にも、その周囲にはさながら帳(とばり)を降ろすかのように、幾筋もの細い滝が落ちる。たくさんの観光客でにぎわっているが、喧噪なんか気にならないほど、きれいな水が流れる。
やっぱり、水のある風景っていいなあ。

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画像 074入り口すぐ近くには音止めの滝がある。こちらは大きな滝だが、ある意味、平凡な姿のためか見物人は少ない。山奥にあればもっと人気が出たかもしれないのに。なんだか実力はありながらも周囲の環境のため力が発揮できない人のようだ。
名の由来は、曾我兄弟が仇討ちの手はずを相談していると、滝の音で声がかき消されたので神に祈ると滝の音が止まったという伝承から。
それならほかの場所で相談すればいいのに…などと考えるから、いくら霊場巡拝しても当方は「至誠天に通じ」ないんだろうな。


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富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市) 平成19年11月10日

 三嶋大社での不安は的中し、浅間大社も七五三でごった返していた。駐車場待ちをしていたら係員が、「今日は結婚式も重なっているから、なかなか空かないよ。どこそこに行けばバス駐車場があるから、そこに止めたらいいよ」と教えてくれた。ご厚意に感謝感謝。

富士山本宮浅間大社(駿河一宮)・式内名神大社(浅間神社)
画像 068

楼門
天気予報では今日は曇りだったが、「どこが、どこが」というほど日が差してきた。青空に朱塗りの神門が映える。
しかし「本日天気晴朗なれど、“雲多し”」とばかり、肝心の富士山は雲にすっぽり包まれて姿を現さない。


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祭神は木花之佐久夜毘賣命。天津日高日子番能邇邇芸命・大山津見神を配祀。
富士大権現とも浅間(せんげん)大菩薩とも称され本地仏は大日如来。
アサマ(浅間)の語源は“アイヌ語で火山を意味する”、“南洋系言語説”、はては“アラビア語の空を意味するsamā’からだ”というものまであるが、正直分からないのが実情らしい。
朱塗りの社殿の背後には本殿の屋根が見える。本殿は「浅間造」といわれる二階建てで、独特の姿が珍しい。

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境内右側にある湧玉池。
富士の伏流水が湧き出る池で、済んだ水がたたえられている。


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竹筒から勢いよく流れ落ちる伏流水。
一口飲むと体の中から清められるようだ。


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浅間大社納経朱印

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三嶋大社(静岡県三島市) 平成19年11月11日

 宿から出るまでは、「今日は比較的近隣の場所だから、のんびり回ればいいや」と思ったが、三嶋大社前に来たら駐車場待ちの車の列。
「いったい何だ!」と思ったら振り袖、袴姿のベビィたちがぞろぞろと。そう、今日は七五三参りのピークだった。
 人込みの中の参拝なので、いまいちのんびりできなかった。まあ、選んだ日にちが悪かったから仕方のないことだが…。

三嶋大社(伊豆一宮)・式内名神大社(伊豆三嶋神社)
画像 064祭神は大山祇命・積羽八重事代主神。
三嶋大明神の本地仏は薬師如来。
拝殿の欄間部分には「鵺退治」などが施されているとのことだが、祈祷を待つ人の多さでゆっくると確認できなかった。人の多い寺社を避けるというわけではないが、どうも、この手の年中行事での人だかりは苦手だ。


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摂社の若宮神社と見目神社。
若宮の祭神は御子神の物忌奈乃命。本地仏は地蔵。
見目は后神六柱。本地仏は弁才天。

画像 067境内の茶店で名物草もち「福太郎」を食べる。
蓬の香りがなかなか新鮮だ。

宝物館近くにはコンコンときれいな水が湧いていた。
三島市は富士山の伏流水が多く湧き出るとのことで、
水の町としても売り出しているらしい。
飲用可能かどうかは分からなかった。


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三嶋大社納経朱印

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伊豆長岡温泉(静岡県伊豆の国市) 平成19年11月10日

 修善寺から狩野川沿いに進んで長岡温泉へと向かう。知らなかったが走湯・修善寺と並ぶ伊豆では古い温泉地とのことだった。今晩の宿、千歳荘に荷物を置いてさっそく、温泉街を散策する。街の真ん中に源氏山という小さな山があり、温泉地は古奈と長岡に分かれている。

湯谷神社
画像 059 画像 060
宿近く、源氏山ふもとに鎮座する。「古奈権現」というバス停が近くにあったので、ここの神社を指すのだろうか。
祭神は大己貴命・少彦奈命。社伝によると古奈の源泉があった場所だとあり、明治までは鳥居の近くに湯が沸いていたとあった。

湯谷山薬王林長温寺・曹洞宗
画像 061

湯谷神社へ至る道の途中に建つ小さなお寺。寺号から察するに湯谷神社の別当だったのだろうか。
本尊は薬師如来。本堂前には仏足石が置かれる。


 源氏山の山沿いに歩き長岡地区へと歩く。古奈は古い温泉だが、長岡は明治開湯だという。こちらの方がかつての歓楽街を思わせるような雰囲気だった。古奈からここまでは1kmほど歩くが、わざわざここに来たのもカーナビによれば共同浴場があると知ったため。ところがいくら歩いてもそれらしき施設は見あたらない。「共同浴場」を示す看板はあるのだが、さっぱり分からない。あれこれうろついているうちに雨が降り出したので、急いで宿に戻った。
(後で知ったが共同浴場は取り壊され、まったく新しい立ち寄り湯ができたとのことだった)

温泉神社
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小さな山の中にあった神社。
祭神、由来などは不明だった。


今夜の宿も掛け流しの温泉。湯は無味無臭で結構熱く、疲れが吹き飛ぶようだ。マッサージ付きのパックで泊まったので、入浴後は体をもみほぐしてもらった。なんだか典型的な温泉旅行だな。

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修禅寺(静岡県伊豆市修善寺) 平成19年11月10日

 熱海から修善寺までの道のりは、途中で「本当にこの道で合っているのか?」と不安になるような、細い路地を通ることになる。それでも山伏峠付近は整備されていて安心するが。ともかく、ミカン畑を幾つも通り過ぎ修善寺温泉へと向かう。

福地山修禅萬安禅寺・曹洞宗
画像 054 画像 056
土産物屋が軒を連ねる温泉街を抜けると、修禅寺に到着する。修善寺温泉の中心地にあるだけあって、多くの参拝者がいた。
本尊は大日如来。地名は修寺だが、寺号は修寺。弘法大師が温泉を開いたとの伝承があり、当初は真言宗、その後に臨済宗、曹洞宗へと改宗された。
境内は少しだが楓が色づいていた。宝物館で大日如来像や『修善寺物語』のモデルとなった古面などを拝観する。

画像 057

山門すぐ近くの川には、
弘法大師が掘ったという元湯「独鈷の湯」が湧く。
足湯にみんな漬かっていたが、
あまりの人の多さに遠くから眺めるだけにした。


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唯一の外湯「筥湯(はこゆ)」に入る。
まだ館内は真新しく観光客向け施設かと思ったが、350円という入浴料なので地元向けかもしれない。特徴がある湯ではなかったが、広い湯船には少しぬるめの湯なので、のんびりと入るにはいいかな。
かつては川沿いに外湯があったというが、湯原や川湯、下呂のような雰囲気だったのだろうか。それが残っていれば、野趣あふれる温泉地だったかもしれない。


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修禅寺納経朱印

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熱海温泉(静岡県熱海市) 平成19年11月10日

せっかく熱海方面まで来たのだから、温泉に入らない手はない。とはいえ、大型観光地の立ち寄り湯は吟味しないと、施設ばかりが豪華で肝心のお湯が…ということがままある。もっとも、熱海は勝手が分からないので地図を見ていたら「温泉寺」という寺を発見。このような寺号がある場所なら、古くからの温泉があるだろうとそっち方面へと向かう。
 途中、ごちゃごちゃした看板が並ぶ土産物屋が軒を並べる商店街を通る。けたたましく秘宝館のCMを流す車が走っていた。数年前から熱海は客足が遠のいているとの報道があったが、なるほどおしゃれな雰囲気も、情緒さもあまり感じられない。ども、「いかにも」というおしゃれな町よりも、この猥雑さはそれはそれで良いように感じるのだが。
 100円駐車場に車を止めてしばらく歩くと、「源泉掛け流し」とある雰囲気の良い旅館があった。11時から立ち寄り入浴可能だったので、まだ少し時間がある。もうしばらく歩いてから温泉に入ろう。

清水山温泉寺・臨済宗妙心寺派
画像 043 画像 044
少し坂を上ると、川沿いに小さな山門がある。境内は幼稚園と隣接していて、ちょうど音楽の時間らしく歌声が聞こえる。
本尊は観世音菩薩。境内には湯河原地蔵堂が建ち、地蔵菩薩と不動尊・弘法大師を祀る。しかし、寺号から温泉守護と思ったのだが特に伝承を記すものはなく、観光客もあまり参拝していないようだ。古い温泉地は信仰と深く関わるはずなのに、熱海はあまりこういう面に熱心ではないのだろうか?

湯前神社・式内小社(久豆彌神社)
画像 045 画像 046
 温泉寺の参拝を終えてしばらく歩くと、「湯前神社」への案内板を見つける。示すがままに狭い路地をしばらく歩くと、小さいながらも木々に包まれた神社があった。
祭神は少彦名命。温泉地らしく手水舎からは湯気が立っている。社殿では温泉の効能を示す託宣によって建立されたと、開湯伝承と関わる神社のようだが、ここもあまり人気がない。
 町全体が温泉守護の寺社に対して熱心ではないように思えたが、このことと熱海の客足が遠のいていることとが関わり合っているように思えてならない。

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大湯間欠泉。
熱海で一番古い湯元で、案内板によると湯が吹き出る時は地響きがしたほどだとあった。しかし、関東大震災以後は湯が出なくなり、現在は人工的に吹き出すようにしたとある。


画像 052商店街のただ中に「福島屋旅館」がある。ガラス戸には「源泉掛け流し」とあり、入浴料も400円。中にはいると時代が昭和でストップしたような宿。館内は薄暗く、黒光りした廊下や柱が昔ながらの湯治宿を思わせる。


 裸電球に照らされた脱衣所は、時代がいつまでも止まったままのようだ。浴槽は大小2つあるが、大きい湯船のみに湯が張られている。まだ時間も早かったようで、湯は7、8分ほどしかたまっていなかったが、給湯口からは熱い湯が吹き出てくる。
 少し塩辛い湯はさすがのことながら、なんといってもこの旅館の雰囲気が気に入った。ブームで作られたパビリオンとしてのレトロではなく、本物の昭和の旅館だ。

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帳場近くにあったアトムシール。
明治マーブルチョコレートのおまけだったようだ。
リボンシトロンの古いポスターの前には、サザエさんが描かれた東芝電化ローンのマッチ箱。かなり初期アニメのサザエさんのデザインだ。これらのアイテムが、ごく普通に置いてある。いったい何年前からここに置かれたままなのだろうか?

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画像 053近くにあった寺院風の和菓子屋。
初めは地蔵堂か何かだと勘違いした。
風呂上がりは近くのすし屋で、ちょっと豪勢な昼食とした。大型観光地だと思ってさほど期待していなかったが、いやはや熱海という場所もじっくりと散策すれば、もっとオモチロイものに出会えそうな気がする。

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伊豆山神社(静岡県熱海市) 平成19年11月10日

伊豆山神社・式内小社(火牟須比命神社)
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鉾根から次は熱海方面へと向かうが、朝早いというのにさすがは土曜日。反対車線は既に車の列ができていた。心配していた雨も何とか持ちこたえてくれそうで、快調に車を走らせる。
熱海へと近づくと、大型ホテルが多く目立ちだした。伊豆山神社は山沿いの住宅地にある、曲がりくねった道を進んで行く。途中、MOA美術館など世界救世教関係の施設が幾つか目に付く。
到着すると、海を見下ろす場所に鎮座しているが、展望はさほど良くない。


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 祭神は火牟須比命・伊邪那伎命・伊邪那美命。伊豆山大権現、走湯(そうとう)大権現と称された修験の霊場で、本地仏は千手観音(法体)・阿弥陀如来(俗体)・如意輪観音(女体)。
 以前、奈良国立博物館で俗体権現の尊像が展示されていたが、衣冠束帯に袈裟を掛けた独特の姿だった。中世には「伊豆箱根両所権現」と讃えられ、関東総鎮守と称された社だが、現在の社殿は実に静かなもの。
 朝早い割には若い女性の参拝者が目立ったが、どうやら「縁結びのスポット」としてマスコミに紹介されたようだ。社務所にはその記事が掲示されていた。

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社殿裏には白山神社遙拝所がある。本社は伊豆山内にあるのだが、入り口で遙拝する。
疫病平癒のために権現に祈願したところ、当地に白山権現を勧請するよう神託が降りたので奉祀されたという。伊豆修験と白山修験に何らかの結びつきがあったのだろうか。

 

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摂社・雷電社。
式内の火牟須比命神社は当社との説もあるようだ。
祭神は火牟須比命荒魂。本地仏は如意輪観音。


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足立権現社。
役小角(えんのおづの・諡:神変大菩薩)の尊像が祀られる。伊豆は小角が配流された地。現在の伊豆山神社には、わずかに残る修験の遺構といえる。
足腰の神として信仰されているとのことで、山々を駆けめぐった行者らしいご利益だ。


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伊豆山神社納経朱印


※小角は通常「おづぬ」と訓ぜられるが、「おづの」と読む説を採用している。
「つぬ」は「角(つの)」のノの万葉仮名「努・怒・奴」を、江戸期にヌの発音に誤読して広まったとされる。
【参考】『岩波古語辞典』・『国史大事典』




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知立神社(愛知県知立市) 3月17日

20070320121438.jpg 国道1号線と155号線に東南を囲まれるような、そんな交通の要に知立神社は鎮座する。
知立は東海道五十三次では39番宿「池鯉鮒」だが、その地名の由来となったのが、この神社だ。
社号:知立神社
三河国二宮

20070320121503.jpg国重文の多宝塔(室町期)
明治の神仏分離で破棄されそうなところ、仏像を他所に移し、相輪を外して瓦葺きに変えて、「知立文庫」として危うく難を逃れたという。
当時の関係者の機転のお陰で、現在となっては貴重な神仏習合の遺産を目の当たりにできる。
このような事例も、三河の信仰観と関係があるのだろうか。

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千人灯
台座には建立にかかわったのだろう、多くの名前が刻まれている。
「献身報国」とあるように戦争遺産の一つ。

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石橋と池
池鯉鮒(ちりふ)大明神の別称にふさわしく、
鯉の噴水がある。

20070320121557.jpg社殿
祭神は彦火火出見尊・鵜鵜草葦不合尊・玉依比賣命・神日本磐余彦尊の四柱と青海首命を配祀、聖徳太子を合祀。

20070320121616.jpg20070320121632.jpg末社の秋葉神社と、その他の摂末社

20070320121645.jpg由緒書によると、弘法大師が当社で祈念されて自像を彫ったとあり、三弘法発祥の霊社とあり、三弘法巡りには必ず参詣するようにとあった。
三河の大師信仰は宗派どころか、現代でも神道・仏教の枠を越えている。

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知立神社納経朱印

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密蔵院(愛知県刈谷市) 平成19年3月17日

 京都や奈良のように、壮大な伽藍や荘厳な仏像、華麗な障壁画、静寂なる庭園… そんな寺院に対して、三河三弘法を含めた庶民信仰の寺には、稚拙な石仏、所構わず建つ小堂や祠、そして俗悪ともいえる絵馬や祈願札の数々。しかし、なぜだか知らないが、こういう寺の方が自分は落ちつく。
 もちろん歴史と風格ある古寺の良さも分かるのだが、それは三つ星レストランや会席料理のおいしさのようなもの。庶民信仰の寺の良さはは、ラーメンやあんパン、汁掛け飯のおいしさだろう。
 人々が神仏にどっぷりと甘え、あからさまに欲望をむき出しにして願う。このような姿に「こんなもの仏教では無い」と顔をしかめる御仁もいらっしゃるが、逆にいえば、本音と建て前を使い分ける世間のしがらみから解放され、嘘いつわりない自分の姿を神仏に見せる。それでこそ「祈り」だろう。
 変に悟りすました顔をして、分かったような分からないようなご高説を垂れるセンセイたちの、格調高い「本物の仏教」とやらいう有閑層の言葉遊びよりも、このような寺の方がはるかに信仰・信心というものの息づかいを感じることができる。

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西福寺からは1kmほどという比較的近い場所に密蔵院は建つ。ここも住宅地のお寺だが、国道1号線に近いためか、周囲の家の数も多い。
山門前には「流涕弘法大師」と書かれる。 
山号:天目山
院号:密蔵院
宗派:臨済宗永源寺派

20070320121201.jpg本堂
本尊は弥勒菩薩。禅宗寺院らしく簡素な作りだ。
先の西福寺は曹洞宗。ここは臨済宗。弘法大師信仰は宗派を越えて行われるが、三河新四国霊場や同じ愛知県の知多四国霊場は、札所の半数が真言宗以外の宗派で構成されている。
愛知県の大師信仰の篤さを物語るかのようだ。

20070320121221.jpg20070320121234.jpg大師堂(三河三弘法第3番・三河新四国第3番)
弘法大師との分かれに涙を流したので「流涕(りゅうてい)弘法大師」と呼ばれる。
ここにも西福寺で見たものと同じ、大根と蕪の絵馬が掛けられていた。

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縄で作られた大師像。
少し顔がこわい…

20070320121303.jpg20070320121316.jpg大師堂裏手には四国八十八ヶ所の石仏が祀られている。
ここにも十夜ヶ橋があった。橋の下には布団に包まれた大師像が眠っている。
新旧さまざまな石仏の間に、「仏さまを返してください」と書かれた札が立っていた。石仏を盗む罰当たりな輩がいるのだろうか。
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密蔵院納経朱印

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井伊谷宮(静岡県浜松市引佐町) 平成19年3月5日

20070306161338.jpg20070306161353.jpg井伊谷宮は龍潭寺のすぐ隣に鎮座する。祭神は後醍醐天皇第四皇子の宗良親王。
明治初期に建立された比較的新しい神社。
社号:井伊谷宮(いいのやぐう)

20070306161413.jpg本殿。
親王は南北朝時代、建武中興で征夷大将軍として活躍し、この地で没したという。
左側は親王を補佐した井伊介道政、井伊新介高顕を祀る井伊社。

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境内にある子安観音石。

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境内の後ろには宗良親王墓があるが、
宮内庁陵墓なので立ち入り不可。

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井伊谷宮納経朱印

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龍潭寺(静岡県浜松市引佐町) 平成19年3月5日

 龍潭寺に着いたころには雨は激しくなってきた。突撃巡礼隊に出るたびに雨に当たる気がするが、まあ今回は最終日なので良しとしよう。

20070306160518.jpg20070306160539.jpg山門と仁王門。
境内は雨に濡れて、これはこれで風情がある。
禅寺らしい静かな雰囲気だ。
山号:萬松山
寺号:龍潭寺
宗派:臨済宗妙心寺派

20070306161121.jpg
本堂。
本尊は虚空蔵菩薩。この地は井伊谷といい、井伊氏発祥の地。この寺も後に彦根藩主となる井伊家の菩提寺。

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開山堂。
黙宗瑞淵を祀る楼閣造り。

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本堂から仁王門を眺める。
前庭は観音浄土を表している。

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本堂と開山堂の間に建つ萬松稲荷堂。

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本堂裏側には、小堀遠州作の庭園が広がる。
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龍潭寺納経朱印

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宝林寺(静岡県浜松市細江町) 平成19年3月5日

 昨日までの好天はどこへやら。朝起きると、曇り空と強い風。天気予報でも雨が降るとのことだったので、予定を変更して、もう今日はあまりうろつかないことにした。
 いつもの突撃巡礼隊よりも遅めのチェックアウトをする。浜松に来た第1日目の通過地点であった細江町を目指し、車を北上させる。

20070306160153.jpg国道沿いに、「龍文坊大権現」と染め抜かれたのぼりが何本も立っている。今回の旅の目的の一つ。遠州の天狗巡りの締めくくりとなる、龍文坊を祀る宝林寺だ。
本尊は釈迦如来。脇侍は阿難尊者と迦葉尊者。法堂は国重文で、江戸初期の黄檗宗伝来当時の様子を伝える明様式。
山号:初山
寺号:宝林寺
宗派:黄檗宗

20070306160213.jpg

報恩堂。
黄檗宗祖の隠元隆(諡号:真空大師)を祀る。

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仏殿裏にある国重文の方丈。

20070306160250.jpg龍文堂。
伝承では、初山開祖の独湛禅師に龍文という弟子がいた。ある日突然姿を消したが、その後本山の萬福寺を火事を「初山龍文」と名乗る僧が消したという。以来、火伏せの神として祀られるという。
特に天狗と謳っていないが、天狗伝承によくある内容といい、また龍文坊の姿が火焔を背にし、葉団扇を持った雲水という、天狗をイメージしたものなので、遠州の天狗の一狗と数えていいだろう。

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阿弥陀三尊の石仏と金鳴石。
名の如く叩くと金属音がする。

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舘山寺(静岡県浜松市舘山寺町) 平成19年3月4日

 近江国の名の由来は、“近い「あはうみ(淡海)」”つまり琵琶湖。対して遠江は“遠い「あはうみ」”。言うまでもなく浜名湖だ。そんな浜名湖の名所といえば舘山寺。歌川広重の『諸国名所図会』にも描かれている。

20070306155635.jpg温泉宿や鰻料理屋が並ぶ、そんな温泉街の突き当たりの、小高い山に舘山寺は建つ。
正面に見える鳥居は愛宕神社。その右隣に参道の石段が伸びる。看板には「浜名湖岸新四国第二十七番」と書かれていた。「弘法大師」や「秋葉大権現」と染め抜かれたのぼりが何本も続く。
山号:舘山
寺号:舘山寺
宗派:曹洞宗

20070306155702.jpg
本尊は虚空蔵菩薩。
開山は弘法大師とされ、もともとは真言宗だったが、明治の廃仏毀釈で廃寺。その後、再興された際に曹洞宗となった。

20070306155720.jpg20070306155735.jpg本堂左には可睡斎から勧請した秋葉三尺坊が祀られる。
堂内には巨大な天狗の絵馬が掛けられていた。

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境内から眺めた浜名湖の景色。
かんざんじロープウェーや遊覧船が見える。

20070306155814.jpg
裏山の穴大師。
弘法大師が籠もったという岩穴で、眼病平癒のご利益があるという。中は畳一畳分ぐらいの狭さで、ろうそくの明かりがゆらゆらと揺れて神秘的な気分になる。

20070306155829.jpg
舘山の周囲には遊歩道があるが、その中で一番の絶景という恋の岬での風景。
ロマンチックな地名だが、かつて心中があった場所だという。

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舘山寺境内とは地続きで、愛宕神社が鎮座している。

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舘山寺納経朱印

 この日は舘山寺温泉に泊まりたかったのだが、宿が確保できなかった。そこでさらに南下して雄踏温泉にある浜名湖ロイヤルホテルに泊まる。
 部屋からは夕日に染まる浜名湖が一望できた。
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事任八幡宮(静岡県掛川市) 平成19年3月4日

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複数、一宮が存在する国は幾つかあるが、ここ遠江もその一つ。先の小國神社と今回の事任八幡宮。袋井市からバイパスを通り、掛川市内の少し外れ。旧東海道沿いに鎮座している。
社号:事任(ことのまま)八幡宮
遠江国一宮

20070306155324.jpg『延喜式』「神名帳」にある「己等乃麻知神社」とされ、『枕草子』や『海道記』などにも著述されているとう。後に八幡が合祀され「八幡宮」と称したが、戦後に現社号になったという。
「ことのまま」は「意のままに願いが叶う」ということ。小國神社も「許当麻知神社」と称していたとあったが、関係があるのだろうか。
石段を上った社殿の右奥には、高さ36.5mという巨大な杉が、また右手前にも大銀杏がある。

20070306155344.jpg本殿。
祭神は己等乃麻知媛命(ことのまちひめのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと:応神天皇)、息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと:神功皇后)、玉依比売命(たまよりひめひめのみこと)。
手前は五社神社。

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境内中央に生える大楠。天いっぱいに枝を伸ばし、さながら天然の日傘のようだ。
巨木に囲まれ、まるで木魂が宿っているかのような社頭だった。

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事任八幡宮納経朱印

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法多山(静岡県袋井市) 平成19年3月4日

 遠州三山巡りも最後の段、法多山尊永寺となる。火伏せの可睡斎、眼病平癒の油山寺、そしてここは厄除けだそうだ。三山それぞれご利益に独自色があるのが面白い。
 袋井市街を抜けて茶畑を通り過ぎると、広大な駐車場が数カ所あるが、いずれもほぼ満車状態という盛況ぶり。係員のおじさんに理由を聞くと「今日はお茶湯日(ちゃとうび)と日曜が重なったからね」とのこと。
 お茶頭日というのは毎月ある縁日のこと。3月4日にお参りすると百日分お参りしたと同じご利益だそうだ。ちなみに7月10日なら四万六千日分だそうだ。

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国重文の仁王門。
参拝者がひっきりなしに歩いているので、シャッターチャンスがなかなかこなかった。
山号:法多山(はったさん)
寺号:尊永寺
宗派:高野山真言宗

20070306154418.jpg

本坊の黒門は、旧塔頭正法院の山門。
その名の通り、なかなか渋い風情だ。

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山の中にある寺院ではないが、参道は木々に囲まれていてる。


20070306154436.jpg石段を上りきると、その広々とした境内に少し驚く。天気の関係もあるのだろうが、もの凄くすがすがしい雰囲気だ。本堂前には祈祷を終えた人が、お札を受け取るための行列ができている。
本尊は正観世音菩薩。本堂内にはいると薄暗い内陣では護摩が修法されていた。
参拝後、本堂を出ると行列はもっと延びていた。

納経朱印をお願いすると、老僧が話し掛けてきた。
 「どちらからお越しですか」
 「京都です」
 「はぁ、いいところですね。生まれも京都ですか?」
 「いえ、兵庫県の北。但馬です」
 「但馬ですか。私も冬になると香住によく行きますよ」
 「あぁ、その香住です」
 「えぇ、香住ですか。だったら、○○さんってご存じですか。長くここに勤めてたんですが」
 「その人だったら、孫が自分と同級生ですよ」
お互いに驚いた。寺務所の受付にはたくさん人がいたのに、たまたま納経をお願いした人とこんな会話をするなんて…。縁というのはホントに異なものだ。

20070306154508.jpg名物の厄除だんご。“だんご”とあるが生地は丸いだんご状ではなく、5つにつながった円筒状。茶店の前ではお土産用に持ち帰る人で長蛇の列。
行列のできるお寺だね。

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尊永寺納経朱印

テーマ:寺巡り - ジャンル:旅行

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山カズ大王

Author:山カズ大王
裏日本観察学会会長
仏歴2518年(昭和50年)生誕

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