裏日本観察学会・突撃巡礼隊

各地の寺院や神社、霊場の参詣記、納経帳(御朱印)の記録を中心に、面白スポットや街角で見たものなども紹介します。 ※写真(サムネイル)はクリックすると拡大します。

2017-09

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大谷寺(福井県越前町) 平成19年10月29日

 朝風呂を浴びてゆっくりと朝食を取る。湯豆腐のだしが少し甘めだが、北陸独特の甘口しょうゆのため。漬け物やみそは自家製で、水も井戸を汲んでいるという。今日は特に急ぐ予定もないので、いつもより遅めの出立で越知山へと向かう。

越知山大長院大谷寺(おおたんじ)・天台宗
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 越知山は標高612.8mとさほど高くない山だが、白山開祖の泰澄(諡:神融禅師)ゆかりの地。大谷寺は越知山の別当になる。来るまでは「おおたに」だと思っていたら「おおたん」。先の瀧谷寺でもそうだったが、ここでは谷は「たん(だん)」と発音するようだ。
 門前には蓮池がある。案内によると蓮糸で曼荼羅を織った故事から、ここ一帯を「織田」というとあった。

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 本堂には「越知大権現」の扁額が掛かる。本尊は三所大権現本地の十一面観音(本社)・阿弥陀如来(奥院)・聖観音(別山)。堂内には地主権現本地の不動尊などが祀られる。
 住職さんが庫裏でお茶をご馳走してくれた。そこで泰澄禅師や越知山の歴史について話を伺った。曰く、明治以降の神仏分離で白山の関係者は、北陸の宗教史から修験を軽視し、泰澄も「伝説上の人物」としてとらえていない感がある。自分は越知山の歴史を調べる事で、泰澄を再評価していきたい、と。

 越知山には古代仏教の遺跡が多くあるそうで、試掘に訪れた大学生が「少し見て回っただけでこんな古いものが転がっているなんて」と驚いた話や、山中のお堂に安置する仏像を防犯対策から寺に移動した時に、丸太だと思って薪にしようと持ち帰ったら、たまたま訪れていた博物館の学芸員が「両足を直立させた古い形式の蔵王権現像の残骸だ」と鑑定してくれた話(これは同時に北陸に吉野系修験が、かなり早い時期に広まっていた事の証拠だという)や、鉈彫の西限であり「鉈彫=荒削り」の常識を覆す不動像などの興味深い話ばかりだった。
 「ここ一帯の地名を丹生と言う。本来は北陸は『越国』ではなく、但馬・丹波・丹後と連なる『丹国』。丹生は水銀であり、不老不死の霊薬。つまり大陸から見れば日本海側こそ、肥沃な土、豊富な魚介、美しい水のある「蓬莱」であり「浄土」だったと思う。それが中央集権的な大和の視点で、遠地を想像させる『越』に成ったのだ」とも語り、「ここの方言で土のことを『ベト』という。辞書にはその発音は載っていないが、今も越南と書いてベトナムと読むように、越には土という意味もあったのではないか」と持論を展開してくれた。
 その後、重文の「木造泰澄及二行者坐像」と件の蔵王権現を特別に拝観させてもらった。また本堂に掛けられる真新しい『越知山本地仏曼荼羅』は、「蓮糸の本地仏曼荼羅が寺に伝わるが、『蓮糸で織るなんて不可能だ』とよく言われたので、それでは可能か不可能か試してみようと織り上げたものです」とのこと。なかなかに行動派の住職だ。

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寺境内と地続きで越知神社の里宮が建つ。初めは寺の鎮守社かと思ったが、そうではなく独立した神社だった。
越知山三所の祭神は伊邪那美神・大山祇神・火産霊神。ここの里宮には天照大神や思兼命、文殊菩薩、毘沙門天などを祀っているようだ。

画像 026大師堂と先師供養塔。
11月3、4の両日は万灯会を行うとのことで、それを知らせるのぼりが至る所にはためいている。

画像 025泰澄禅師が入定された御廟。
九重石塔は重文に指定されている。
ここから越知山へと至る山道が続いているが、現在「越知山」と呼ばれる山ではなく、もともとの越知山は標高200mほどのこちら側だという。

大谷
大谷寺納経朱印


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