大湧谷(神奈川県箱根町) 平成19年11月9日
関西に住んでいると活火山とか、硫黄臭漂う光景というものに出会うことがない。大湧谷はたくさんの観光客であふれていたが、そんなことはまったく気にならないほど、初めて見るような光景だった。
辺り一面の硫黄臭にところどころ吹き出るガスや温泉。地球の動きを感じさせる。

天気が良ければ芦ノ湖や富士山も見えるのだろうが、午後から曇り空となったので、望むべくもない。その半面、荒涼とした風景によりすごみが増したともいえる。
名物の黒玉子をゆでる温泉もすごいにおいがする。

入り口には弘法大師がこの地を鎮めるために刻んだという、延命地蔵菩薩が安置される。多くの人が行列をなして地蔵尊を参拝していた。
ここも箱根の「地獄」だったのだろう。
名物の黒玉子。6個で400円なり。温泉の鉄分と混じって唐が黒く変色したもので、むくと中身は普通のゆでたまご。白身が少しもちもちしたような触感だった。
とはいえ、1人で6個も食いきれない。2個食べた後、近くにいた老夫婦におすそ分けした。
その後、強羅へと降りて宮城野温泉へと向かう。今夜の宿は「いこい荘」。少し古びた温泉宿だが、掛け流しの湯が楽しめる場所。大湧谷で冷えた体を温めようと早速浴場へ。小さな湯船だが一人ではいるのは充分すぎる大きさ。お湯は無色透明で無味無臭。少し熱めだが、なぜかしらいつまでも入っていることができる。ものすごく体に優しいお湯だ。
体もほかほかしてきたし、少し散策しようかなと町に出たがごくごく普通の山あいの集落。その上、雨も降り出してきたので急いで宿に戻り、ロビーでくつろぐことにした。宮城野の地誌が置いてあったので、パラパラと眺める。旅先で地誌を読むと本当に旅情を感じる。
もう一度入浴して食事とする。豪華なおかずはなかったが、一品一品が丁寧な料理。部屋に戻って文庫本を読んでいると、外の雨音が大きく聞こえてきた。どうか治まってくれよと願いつつ、いつの間にかうとうとして記憶が途切れてしまった。
2時間ほど眠ってしまったか、もう一度体を温めてから寝ることにしようと浴場へと向かう。雨は少し治まったようだ。
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